夜の市場

米10年債利回りは4.939%——5%の線の下に戻った。昨日の当欄は5.02%と書いていた。一週間のうちに、この欄は同じ利回りの両側を書いたことになる。それが「往復」の意味のすべてだ。誰が買い戻したのか、その理由は画面にない。ないものは書かない。木曜の米国現物市場は今週で最も強く引けた。S&P500種は7,637.76(+1.14%)、ナスダック総合は26,418.30(+1.69%)。

アジアと欧州

アジアと欧州は、ニューヨークが木曜を終える前に木曜を終えた。アジアはまちまち。日経平均は64,136.03(+0.33%)、ハンセン指数は24,604.30(−0.44%)。欧州はより広く、より堅い。DAXは25,716.71(+0.70%)、FTSE100は10,816.14(+1.19%)。東京と香港は今朝、アジアがまだ値段を付けていない一節を受け止める。

為替・金利・商品

ドルは全面高。ドル円は155.69、円は0.45%軟調。ドル香港ドルは7.8452。ユーロドルは1.1481(−0.50%)、ポンドは1.3376(−0.79%)。動いているのは商品だ。WTIは96.61ドル——この局面で初めて100ドルを割った。昨日は102ドル前後、週初は105ドル前後だった。金は4,346.20ドル——4,263ドル前後から戻した。どちらも変動欄は空で、当デスクは水準だけを記す。暗号資産もしっかり。ビットコイン76,431ドル、イーサ2,446.33ドル。

今日の見どころ

往復そのものが今日の話だが、大事なのはそれが言っていないことだ。5%に触れて戻った利回りは、どこに落ち着くかを何も語っていない。語っているのは、この線が守られているのではなく取引されていることだけだ。問いの向きは変わった。昨日は床か、今日は天井か。答えるのは取引であって、当デスクではない。アジアが先に値をつけ、ニューヨークが上書きする。

今日の一数字

4.939%——米10年債利回り。5%の線の下である。昨日の同じ欄は5.02%と書いた。一週間で二度、線をまたいだことは傾向ではないし、当デスクは傾向とは呼ばない。だが今週唯一の実話ではある。

今日の一読

線の下に戻っても、5%の分解は変わらない。本誌マーケットの〈5%の米長期金利——円キャリーの燃料とデュレーションのコスト〉は、同じ5%のうち、どれだけがデュレーションへの報酬で、どれだけが為替の対価なのかを分けている。ヘッジコストを引いたあとに残るのは、国内10年債を下回る水準だ。日本の投資家にとって5%は利回りではなく値段である。次に動くのは、その入力の側——日銀の経路と米国曲線だ。