9月18日の金融政策決定
日本銀行は9月18日の金融政策決定会合で、政策金利を1.00%から1.25%に引き上げることを決めた。1995年以来31年ぶりの水準である。上田裕司総裁ら政策委員による賛成7、反対2(浅田匡氏、佐藤綾子氏)の投票により承認され、9月24日から施行となった。
決定の背景にあるのは、エネルギー・食料品・サービス価格の上昇に伴う物価上昇圧力の継続である。コアCPI(エネルギー・食料品除く)は1.8%、企業物価は前年比7.6%の上昇となっており、日銀の2%インフレ目標に向けた政策正常化の加速を示している。
2年債利回りの急伸と12月への警戒
2年債利回りは9月28日時点で1.975%に達し、2%の心理的な節目に急速に接近している。市場は12月17~18日の定例会合での追加利上げの確率を高く評価している。
9月24日の上田総裁の記者会見では、政策金利を「安定的に2%目標を達成する水準へ」引き上げるとの意向が示されており、当面の利上げペースは加速する見通しが強まった。市場では2027年4月までに1.75%到達との予想も出ている。
ドル円と円キャリートレード
逆説的だが、利上げ決定直後のドル円相場は156.00を上抜けし、円相場は反転下落した。米国の2.75%金利差が引き続き円キャリートレードを支持する構図が続いている。政策金利の上昇が既に価格に織り込まれていたことに加え、政策正常化パスの透明性が市場参加者の carry trade 維持を後押ししている。
香港の日本資産保有者への含意
香港の個人・機関投資家が保有する日本債券、特に2年超中期債は、1.98%に接近した利回りにより、アジア太平洋地域の他国国債(シンガポール、オーストラリア)との相対的な魅力が高まっている。ただし、ヘッジ付きの円債投資家は、ヘッジコスト(円フォーワード)の上昇に注意が必要だ。
USD/JPYが155~157レンジで推移する限り、ヘッジコストは年率2.5~3.0%程度に上昇しており、税引前ベースでのリターンを圧迫している。利回りの向上とヘッジコストの増加のバランスを考慮し、投資戦略の見直しが求められる局面にある。
次のチェックポイント
次の注視点は12月17~18日の金融政策決定会合である。10月から11月の物価データ(特にコアCPIと企業物価)の推移が12月の追加利上げ判断を左右する。また、11月の米国大統領選後の政策不確実性が、ドル円相場と日本の金利経路の乖離に影響する可能性もある。
データソース
- 日本銀行9月18日金融政策決定(2026年9月18日)
- 日本銀行上田総裁記者会見(2026年9月24日)
- ロイター日本 市場データ(2026年9月28日時点)
- ブルームバーグ 日本2年債利回り(2026年9月28日)
- 日本銀行金融政策決定ドキュメント k260918a.pdf