米国株、慎重一色——利回り上昇が向かい風

米国の主要株価指数は27日の引け時点で小幅下落で推移している。S&P500は7,683.69、ナスダック総合は26,820.38。米国10年債利回りが5.24%に上昇する中、機関投資家は高金利環境での企業収益の圧力を織り込み始めた。インフレの粘り強さと米連邦準備制度の据え置き方針(3.75–4.00%)が売却圧力を続け、市場は年内の利下げ確率を25%程度と評価している。ウォール街は2027年の緩和シナリオに賭けているが、足元の経済指標が強気を裏付けなければ、さらなる調整圧力が起こりうる。

東京と香港、政策分岐が明確に

東京市場は0.73%下落し、日経平均225は65,877.62で引け。香港は0.54%高でハンセン指数は24,642.52。この乖離は央行政策の分岐に映る。日銀は9月25日に政策金利を1.25%に据え置き、12月の利上げを見込む投資家の期待を背景に、長期国債利回りは10年債で3%超に達している。対照的に、欧州中央銀行は9月24日に据え置き、スイスは金利据え置きのまま。香港ドルはペッグ制度で米国金利に追従し、資金調達コストが急速に上昇。3ヶ月HIBOR(香港銀行同業貸付金利)は4.5%で、5ヶ月ぶりの高水準に張り付いている。

香港と日本の資金フロー:選別が進む

香港ドルの高い資金調達コストは、ボーダー越けの投資判断を分かつ。富裕層と家族辦公室は、米国債(5.24%)、日本国債(10年債3%超)、アジア株式のいずれかへ、あるいは一時的に預金に留保する決断を迫られている。香港のモーゲージ市場も反応が早い。浮動金利型ローン金利が3.3–3.5%に上昇し、リファイナンシング活動が鈍化。利率ショックが市場に織り込まれ、家計の住宅取得判断が後ずれする構図だ。日銀が12月に次の利上げを実行すれば、円キャリー取引の巻き戻しリスクが高まり、円相場(ドル円156.88)は短期的に変動性を高めるだろう。

今週の指標:米国経済強度とアジア工場部門

FOMC(米連邦公開市場委員会)は9月17–18日に据え置きを決定したが、次の12月会合に向けて、米経済の強度を示す指標が焦点になる。雇用統計とコアPCE物価上昇率が11月初旬に発表予定で、労働市場の冷え込みとインフレの鈍化が同時に起こるかどうかが、年内の追加利下げ確率を左右する。中国は9月30日に9月製造業PMI(購買担当者景気指数)を発表予定。アジア工場部門の勢いが減速から横ばいに移行するかどうかが、今週のアジア相場の支持線を決める。日銀は10月中旬に展望レポートを発表し、物価「2%定着」への見通しを示す。その内容が12月利上げの確度を最終判定する重要な要素になるだろう。

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オリバー・グラント

マーケット・マクロ担当エディター

上場市場、金利、そしてその間の資金の配管を担当。金融デスク10年の経験から、上げ相場を疑い、下げ相場ではメモを取ることを学んだ。