一夜の動き

野村證券のアナリスト宍戸知暁氏は、日銀が2027年の利上げ局面終了後は「普通」のペースの政策運営に移行し、超長期金利はその後低下に向かうとの見通しを示した。9月の金融政策決定会合では複数の委員が早期の追加利上げを支持する発言をしており、市場は12月会合での再利上げを視野に入れている。一方、米国では9月の雇用統計が市場予想を大きく下回り、新規雇用者数はわずか2万9千人増(予想8万4千人)、失業率は4.2%に上昇した。ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は「緊急に動く必要はない」と述べ、10月の利上げ観測はほぼ後退している。

アジアと欧米

米10年債利回りは5.25%超の水準で推移し、依然として二十年ぶりの高さに近い。日経平均は前営業日に約0.9%下落、香港のハンセン指数は2.6%下落して取引を終えた。米国株と欧州主要指数は底堅く、ナスダックは1.2%高で終えている。欧州ではECBのレーン氏が、長期金利の上昇がエネルギー高の物価への伝播を一定程度抑えているとの見方を示したが、ユーロ圏の9月インフレ率は3.8%と3年ぶりの高水準に達した。

外国為替、金利、商品

ドル円は157円台後半で推移。ユーロはインフレ統計を受けてやや軟化した。金は1オンス4,100ドル超で底堅く、原油は1バレル91ドル前後で推移している。

本日の焦点

香港の美術市場では、サザビーズによる藤田嗣治特集セールが全15点を売却し、白手套(全点落札)を記録した。目玉作品は低い事前推定価格の数倍となる値で落札され、同社の香港シーズンセール全体の落札総額も大きく積み上がった。週末で各市場は休場となるが、中国本土の国慶節連休は10月7日まで続き、来週にかけてアジアの消費・観光動向が注目される。

一つの数字

2万9千人——9月の米国非農業部門雇用者数の増加幅。予想の8万4千人を大きく下回り、FRBの早期追加利上げ観測を後退させた。

推奨読み物

野村證券の分析が示す「普通の利上げペースへ」という日銀の長期シナリオは、米欧が利上げの一服を模索する中で対照的だ。香港のオークション市場が示す底堅い需要とあわせ、アジアの資産配分は金利サイクルの岐路に立っている。